トリイソース直売所

トリイソース直売所

所在地
静岡県浜松市
主要用途
事務所一部店舗
照明設計
内藤真理子/コモレビデザイン
補強計画
針谷友己/株式会社NOIX
施工
赤堀産業株式会社
写真
ATKG
Link
トリイソース(鳥居食品株式会社)
トリイソース直売所
トリイソース直売所

地産地消・リユースによる設え

 大正13年創業、「トリイソース」で知られる浜松市の老舗メーカー「鳥居食品」。その工場に近接した既存倉庫を、直売所を備えた事務所にコンバージョンした。
 トリイソースは地場の野菜や果実を使った手づくりソースである。できる限り食品添加物を使わない製法により、全てのソースの要となるウスターソースの無添加化を実現した。そのこだわりは、ソースづくりに欠かせないお酢にまで及び、自社で醸造している。ソースの熟成には、創業時から木桶を使う方法が継承されている。家庭向けの商品は瓶詰にして販売されており、愛らしいフォルムをした空き瓶は、店頭で回収、リユースされる。
 これらのこだわりそのものがトリイソースの最大の魅力であると考え、ソースづくりで実践されている「地産地消」と「リユース」を、直売所づくりのテーマとした。
 使用した木材は、地元・浜松産の天竜杉である。浜松市北部の天竜地区は杉・檜の一大産地であり、特に杉材は、構造材として優れた性質を持つという。
 厚さ30mmの床板として使用したのは、公共工事の構造材として伐採されたものの、規格外のため貰い手を探して製材所の一角に積まれていた角材である。規格外とはいえ、かの金原明善が植えた良材。しかもこの製材所では、現在主流の機械乾燥ではなく自然乾燥にこだわり、木材のトレーサビリティも実施していたことから、トリイソースの内装材として打ってつけだと考え、床材として生まれ変わらせることとした。
 直売所としては、無垢の床を張り、同じく無垢板で二枚のディスプレイウォールを設えたのみ。主役はソースであり社員の皆さんである。陳列棚も最低限。後から展示や棚板を追加したりして、使いながら育てていける什器とした。ソースづくりに使われていた古道具や、解体された木桶の古材は、展示用什器としてリユースした。
 杉板がふんだんに使われた売場内は、木のやさしい香りで満ちている。今後、杉材が使い込まれることで増していく「味」が楽しみである。

トリイソース直売所
トリイソース直売所
トリイソース直売所
トリイソース直売所